Wings for Life World Run 2025:結果&ハイライト

Hannes Kinigadner and Heinz Kinigadner seen at the Wings for Life Worldrun - App Run Event in Uderns, Zillertal, Austria on May 4, 2025.

ご参加ありがとうございました! 世界から過去最高となる31万719人が参加して同じく過去最高となる860万ユーロを集めて、福田穣氏が3回目の男子グローバルチャンピオンに輝いた記録尽くしの1日を振り返ります。

ハイファイブ、笑顔、そして嬉し涙… 2025年5月4日、世界各国から31万719人が脊髄損傷の治療法発見という大きな目標のためにパワフルで喜びに満ちたムーブメント、Wings for Life World Run 2025に参加しました。

今年で12回目の開催を迎えたWings for Life World Run 2025では、7都市でフラッグシップランが、世界68カ国452会場でアプリランイベントが開催され、世界最大のランニングイベントであることをあらためて世界に示しました。

Wings for Life財団のインターナショナル・スポーツディレクターを務めるコリン・ジャクソンは次のようにコメントを発表しました。

「今年のWings for Life World Runも本当に素晴らしいイベントになりました。規模とクオリティは向上の一途を辿っており、影響力も高まり続けています。2025年も記録更新に成功し、総参加者数は31万719人となり、寄付金と参加費の総額は860万ユーロを超えました。最高の結果です! このイベントが特別な理由は、参加者ひとりひとりの貢献が脊髄損傷の治療法発見へ直接送られ、私たちを治療法発見へ向けて確実に前進させているところにあります。本日の結果は、多くの人たちの人生を変えることになるでしょう」

フィジーのソロランナーからリオ・デ・ジャネイロのランニンググループまで、191カ国から参加した30万人超のワールドランナーたちはひとつの大きな目標に向けて前進し、記録更新となる860万ユーロを集めました。この全額が脊髄損傷の治療法発見に向けた重要な研究や臨床試験へ送られます。

ハッセルト大学生物医学研究所(ベルギー)で助教授を務めるジュディス・ラウセン博士は、Wings for Life World Runから資金援助を受けている研究の指揮を執っています。彼女は、自分が率いるチームをさらに前進させるという重要な役割を担ってくれた今年の全参加者に深謝の気持ちを述べています。

「この唯一無二のイベントに参加してくださり、ありがとうございます! 皆さんの参加は、研究資金を増やすと同時に、脊髄損傷の治療法研究に携わるすべての人に希望を与えています。皆さんの一歩が未来への希望となるのです。脊髄損傷の治療法発見に取り組む研究者である私にとって、Wings for Life World Runに毎年参加することはとても重要です。脊髄損傷を抱えている人たちに対する認知を高めるため、そして脊髄損傷の治療法研究のための資金を集めるために世界中から多くの人が参加しているこのイベントは、とても大きなモチベーションであり、世界中の人が必要としています。このようなイベントのおかげで、私たちは歩み続け、脊髄損傷を抱える人たちに対する優れた治療法発見に向けて努力を続けることができるのです」

今年は記録更新が続きました。世界中で開催されたアプリランイベント数452とその合計参加者数24万9,444人はともに過去最高となりました。アプリランイベントは、南アフリカ・ケープタウンの陽光眩しい海岸からノルウェー・トロムソの凍ったトレイル、さらには、マイアミ(米国)、パナマシティ(パナマ)、マドリッド(スペイン)、ロンドン(英国)、ドバイ(UAE)、東京(日本)、シドニー(オーストラリア)、リオデジャネイロ(ブラジル)など世界中で開催されました。

そのため、天候もバラエティに富んでいました。Wings for Life World Run公式天気予報サービスUBIMETによると、最高気温はドバイ(UAE)41℃で、最低気温はストックホルム(スウェーデン)6℃でした。また、アルメリア(スペイン)時速76kmの強風が吹き、シュピールベルク(オーストリア)のレッドブル・リンク大雨に見舞われました。

世界7都市で開催されたフラッグシップランでは、セレブリティが運転するキャッチャーカーが会場の雰囲気をさらに盛り上げました。オーストリア・ウィーンではスノーボード最強女王のアンナ・ガッサー氏とパラリンピックに3回出場したスキーヤーのライニ・ザンプル氏がステアリングを握り、参加者たちのエナジーレベルを高めました。

一方、ポーランドでは、現在ポーランドスキー連盟の代表を務めるスキージャンプレジェンドのアダム・マリシュ氏がキャッチャーカーに再び乗り込み、動くフィニッシュラインとして参加者たちに追いつきながら、会場のエナジーと祝祭の雰囲気を楽しみました。

12回目のWings for Life World Runには他にも多くのトップアスリートやセレブリティが参加しました。たとえば、レッドブル・グローバルサッカー責任者ユルゲン・クロップ氏が、Wings for Life World Runアプリを使用して、自ら結成したチームKloppo & Friendsのメンバーと一緒に走りました。

また、サーフィン元世界女王のカリッサ・ムーア氏がハワイ・ホノルルで開催されたアプリランイベントに参加した他、オリンピックビーチバレー金メダリストのデュダ・リスボア氏アナ・パトリシア氏が美しいブラジリアから参加しました。さらには、アイリーン・グー氏(スキー | 中国)、ドミニク・ティーム氏(テニス | オーストリア)、カールステン・ワーホルム氏(ハードル | ノルウェー)、ファビオ・ヴィブマー氏(トライアルバイク | オーストリア)、ルーシー・チャールズ=バークレー氏(トライアスロン | 英国)、アーチ・マニング氏(アメリカンフットボール | 米国)、セバスチャン・ローブ氏(ラリー | フランス)なども参加しました。

日本でも、東京会場に小林陵侑氏(スキージャンプ)、鬼塚雅氏(スノーボード)、草木ひなの氏(スケートボード)、上田瑠偉氏(マウンテンランニング)、Yu-ri氏(フリースタイルサッカー)、aMSa氏(eスポーツ)が参加して、会場を大いに盛り上げました。

Dominic Thiem seen during the Wings for Life World Run in Vienna, Austria on May 04, 2025.

Wings for Life World Run 2025は、グローバルチャンピオンにおいても記録更新となり、新時代へと突入しました。男子は、日本・福岡のアプリランイベント会場から参加した福田穣氏が歴史的な快走で3回目のタイトルを獲得しました。71.67kmを走破した福田氏は、2024年にグローバルチャンピオンに輝いた渡邊智也氏の記録を1.58km上回り、イベント最長記録更新を手にしました。

Jo Fukuda (World Men's 1st Place is seen at the Wings for Life World Run App Run event in Fukuoka, Japan on May 4, 2025.

今年もまた絶対に勝ちたいと思っていたので、本当に勝てて嬉しいです!(福田穣氏)

そして女子は、ドイツで新記録が樹立されました。ミュンヘンで開催されたフラッグシップランに参加したエスター・ファイファー氏が見事な走りで59.03kmを走破し、ドイツ人初の女子グローバルチャンピオンに輝くと同時に、イベント2人目の女子59km超えを達成し、女子最長記録に迫りました。終盤に踏ん張りを見せて、優勝を手にして歴史に名前を刻んだファイファー氏にとって、Wings for Life World Runは忘れられないレースとなりました。尚、彼女の夫であるヘンドリック・ファイファー氏同フラッグシップランの男子部門で優勝し、グローバルランキングでも5位に入りました。

1kmごとに多くの人が私を応援してくれたおかげで、59kmも走ることができました! ハイライトはスタートです。走れない人たちのためにあそこまで多くの人が集まったのは圧巻でした。素晴らしいイベントでしたし、とても楽しかったです(エスター・ファイファー氏)

Esther Pfeiffer seen at Wings for Life World Run in Munich, Germany on 04 May, 2025.

また、日本の女子ナショナルチャンピオンは、アプリランイベント東京会場で44.04kmを走った屋代沙由未氏が初参加で手にしました。

今回、知人に勧められて初めて参加しました。私は医師として働いていますが、医療現場だけでは解決できないこともあります。このイベントが脊髄損傷の治療研究につながると思うと、それが大きな走るモチベーションになりました(屋代沙由未氏)

たった1日で、Wings for Life World Run 2025は大きな成功を手にしました。これで初回の2014年かられの寄付金・参加費の合計金額は6,053万ユーロに達しました。また、12回の開催におけるのべ参加者数は191カ国・187万253人に上り、これまでに資金援助を受けた研究および臨床試験の数は324となっています。

Wings for Life財団のアニタ・ゲルハーターCEOは、今年の参加者たちの功績を次のように強調し、感謝しています。

「Wings for Life World Run 2025の結果に心の底から感激しております。ひとつの大きな目標のために、世界から多くの愛とエナジーが集められました。31万917人が参加し、脊髄損傷の治療法発見のために860万ユーロを集めることができました。今日を特別にしてくれた皆さんに心から感謝いたします。ウォーキング、ランニング、車いすでの参加、さらにはボランティアの皆さんや沿道から声援を送って下さった皆さん全員がこのムーブメントの中心に位置しています。皆さんと力を合わせて、私たちは脊髄損傷の治療法を必ず発見します。本当にありがとうございました。また来年お目にかかりましょう!」

第13回目となるWings for Life World Run 2026は、2026年5月10日(日)に開催予定です。フラッグシップラン、アプリランイベント、アプリランの参加登録は2025年11月5日に開始する予定です。こちらから事前登録を行っていただくと、参加登録開始の通知が届きます。